3次元物体面や曲面上にさまざまな模様をマッピング(写像)し、それらがちょうど はりつけられたように表示を行う方法である。
物体の表面の細かな凹凸や模様を直接ポリゴンでモデル化するには手間が大きすぎるので、 マッピングにより3次元物体と画像などを対応づけて、模様や凹凸の効果を付加する。
「テクスチャ (texture)」とははりつける模様や画像のことであり、 2次元テクスチャをはりつけて表示することをテクスチャマッピング (texture mapping) という。
物体面上の各点と、テクスチャ上の点を対応づける方法は以下の通り。
テクスチャマッピングではアンチエイリアシング (anti-aliasing) に注意する必要がある。
画素の大きさを考慮して、1画素の領域が対応づけられるテクスチャの領域を求め、 テクスチャの平均色をマッピングする。
画素内に複数個のサンプリング点を設け、それらの色を平均または加重平均した 色をマッピングする。
あらかじめテクスチャのサイズを1/2, 1/4, ... にした画像(これをミップマップという) を用意しておく。これは先に色の平均を計算しておくことに等しい。 表示画素の領域がもとのテクスチャの何個分に相当するかを計算し、それに相当する 大きさのテクスチャを使う。
模様の代わりに凹凸を物体表面上にマッピングする。 物体面上の計算点における高さをテクスチャの濃淡の変化に応じて法線方向に微小距離 だけ移動させたと仮定して、その点での法線ベクトルを求める。 この法線ベクトルを用いてシェーディングを行うことにより物体表面の凹凸を 表現する。
反射による周囲の映り込みをマッピングによって擬似的に表現する手法。 リフレクションマッピング (reflection mapping) ともよぶ。 表示する物体を取り囲むように半径の大きい球や立方体を仮想的に設置して、 その内面に周囲の環境が映り込んだテクスチャをはりつける。 そして、物体面上で反射したレイと仮想球との交点を求め、 その点でのテクスチャの色を求める。
レイトレーシングと比べるとすくない計算量で反射を擬似的に表現できるが、 1回の反射しか扱うことができないので物体同士が映り込むようなシーンは 扱うことができない。
大理石や木材のテクスチャを物体の各面に貼りつけたとき、 面の境界部分で模様をあわせるのは困難である。 そこで、ソリッドテクスチャでは 3次元空間でテクスチャと定義しておき、それをさまざまな形状に 切り出して表示する。